1999年に司法制度改革審議会が内閣に設置され、「国民に基盤を置いた司法」を掲げる司法制度改革が始まりました。それによって、司法は一定の変容を遂げることになりましたが、この改革は最高裁判所に及ぶことはありませんでした。本研究は、各国の司法に詳しい憲法研究者や行政法研究者を集め、司法(なかでも最高裁判所)のファンダメンタルズの改革の方向性を明らかにしようとするものです。具体的には、①裁判のメディア公開や裁判・裁判所情報の公開、②最高裁判所裁判官選出への「専門知」の参加、裁判に直接利害関係を持たない人の参加を認めるアミカス・キュリィ、に加え、③最高裁判所事務総局による司法行政が研究の対象です。このような研究を通じて、司法の民主的基盤の強化、及び違憲審査制のいっそうの活性化の道筋をつけたいと考えています。
研究代表者の挨拶
研究代表者:笹田栄司(早稲田大学政治経済学術院教授)