| Title | 陰謀論的信念の規定要因と制御要因―メディア接触と手続き的公正認識の観点から― |
| Date | March 19, 2026 (Thursday) 15:30-17:30 |
| Location | 3-908 |
| Abstract | エリートが下した意思決定に悪意性や秘密裏性を見出す陰謀論は、世論の分断や暴力行為、反社会行動を引き起こす要因となり得る。米国における議会議事堂襲撃事件、日本における反ワクチン運動や財務省解体デモは、その影響力を象徴している。本研究では、メディア接触と手続き的公正認識に着目し、陰謀論的信念の規定要因および制御要因を検討する。 規定要因に関する研究では、ウェブ調査およびインタビュー調査を用いた混合研究法によって、メディア接触が陰謀論的信念に及ぼす効果を検証した。その結果、マスメディアのソフトニュースがエリートに対する不信感を形成し、それがデジタルオピニオンリーダーによるX(旧ツイッター)への接触を促し、結果として陰謀論的信念を強めるメカニズムが明らかとなった。これは、陰謀論の抑制要因として位置付けられてきたマスメディア接触が、意図せずして促進要因となる可能性を示唆している。 制御要因に関する研究では、世界価値観調査の二次分析およびサーベイ実験によって、手続き的公正認識が陰謀論的信念に及ぼす効果を検証した。従来、陰謀論研究では、陰謀論接触後の反論、すなわちデバンキングの効果は限定的であるとされてきた。これに対して、デバンキングが機能しない反体制志向が高い人々、制度信頼が低い人々に対しても、手続き的公正に関する情報を含めた反論は制御要因として機能することが明らかとなった。これは、意思決定に至るまでの手続きを示すことが有効な制御要因となる可能性を示唆している。 本研究は、観察研究、インタビュー研究、実験研究という異なる研究方法を組み合わせることで、陰謀論的信念が何によって規定され、何によって制御され得るかを包括的に検証した。近年の日本政治では、陰謀論を主張する政治家や政党が急速に支持を拡大しつつある。しかし、日本を対象とした陰謀論研究は少ない。本研究の知見は、陰謀論拡散を防ぎ、日本の民主主義を維持する上で重要な示唆を与える。 |
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| Note | ■ 懇親会(18:00~)も高田馬場駅周辺で予定しております。ぜひご参加ください。懇親会のみの参加も歓迎いたします。 ■ 懇親会参加人数把握のため、以下のフォームから【3月12日(木)までに】事前登録をお願いします。 https://forms.gle/xaMvmgno2qSKZQiR9 なお、研究会自体には事前登録がなくても参加可能です。 |